釜石スタディケ―ション project
スタディケーション 釜石市プロジェクト
本プロジェクトでは、東京を離れた地方で授業を受けながら、その地でしかできないフィールドワークに参加することができます。
コロナ禍を経て在宅勤務が一般化し、通勤時間を気にせずに地方やリゾート地で在宅勤務をする“ワーケーション”という考え方が社会に定着してきています。これは「ワーク」と「バケーション」を組み合わせた造語ですが、学生の学びも同様で、“スタディケーション(「スタディ」+「バケーション」の造語)”という言葉が散見されるようになって来ました。この背景には、大学教育でも、対面に加えてオンラインやオンデマンドを最適に組み合わせたスタイルの授業が広まり定着してきている現状があります。
学生が取り組むスタディケーションでは、東京を離れ、人との関わりが密接な地方での体験・経験を積むことで、コンピテンシー力を高めていきます。具体的には、スタディケーション中に取り組むインターンシップにて、コミュニケーション力(対人基礎力)や対課題基礎力を鍛え、さらに、親元を離れて数週間暮らすことで対自己基礎力の養成をはかります。
2025年年度のスタディケーション
滞在期間:2025年5月17日(土)~6月1日(日) 11名の経営学部学生と留学生1名が参加。
【ポイント】
●学生たちが東京から離れた地方で授業を受けながら、新たな環境で学び、出会い、経験する本学オリジナルプログラム
●2023年度のスタートから3年目を迎え、インターンシップ先が新規企業2社を加えた5つに拡大
●包括連携協定を結ぶ岩手県釜石市の企業や行政との産学官連携で、地域活性化や課題解決を実践
●大学生ならではの若い感性やアイデアを発揮し、新たな魅力を発見・発信する事に貢献
■2025年度「釜石スタディケーション」協力先企業・行政機関
【酒造】浜千鳥(URL:https://hamachidori.net/)
【行政】釜石市役所(URL:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/)
【調味料製造販売】藤勇醸造(URL:https://www.fujiyu.com/) ※2025年度初実施
【オフィス家具製造業】エヌエスオカムラ(URL:https://www.nso.okamura.co.jp/) ※2025年度初実施
【水産加工品製造販売】津田商店(URL:https://www.tsudashouten.co.jp/)
浜千鳥様
私たちは浜千鳥様でのインターンを通して、日本酒の製造工程や地域とのつながりについて学びました。初日は酒蔵の見学を通じて、酒造りのこだわりや歴史に触れ、2日目以降はギフトセットの作成やラベル貼りなどの実務も体験しました。また、市内の酒販店や道の駅などを巡り、販売現場での見せ方や工夫を学びました。その後、若年層への認知拡大を目指し、ペアリング、ECサイトの改善、商品説明の見直し、LINEメニューの提案を行い、最終日に報告を行いました。酒蔵での体験を通じて、地域に根ざしたものづくりの魅力と伝える力の重要性を実感しました。
釜石市役所様
私たちは釜石市役所の文化財課でインターンをさせていただきました。主に文化財の保護や、歴史を伝えていくという活動を行いました。釜石市には様々な文化財があり、歴史の教科書やインターネットで調べただけでは分からない、先人たちが築いてきた歴史の重みを感じることができました。課題としてホームページ作成を行いました。文章や写真のレイアウトなど、伝えることの難しさ、大切さを学びました。また、外に出て活動していたので、地域の方と関わる機会が多く、釜石の方々の温かさを実感し、良い経験になりました。
藤勇醸造様
私たちは岩手県釜石市の老舗企業、藤勇醸造株式会社のインターンシップに参加し、2週間で2つの課題に取り組みました。1つ目はSNSリール動画の作成です。撮影や編集は想像以上に大変でしたが、投稿後に多くの人に届いたことが実感でき、大きな達成感がありました。
2つ目は藤勇醸造様が展開している「Comehanaカフェ&バー」の新メニュー考案です。顧客層の設定やニーズに応じたキャッチコピーの作成、原価計算による価格設定など、一から企画を立てる難しさとやりがいを学びました。東京にいては得られない、現地での挑戦を通して、企業の課題に沿った実践的な学びを得ることができました。
エヌエスオカムラ様
私たちはエヌエスオカムラ様のインターンシップに参加しました。取り組む課題内容は「外国人労働者の定着率向上について」でした。私たちはエヌエスオカムラ様で働いている外国人労働者の方にインタビューをし、現地の方を声を聞くことで課題解決へ取り組みました。
インタビューでは、日本語が上手く伝わらないこともあり、コミュニケーションの難しさや日本人社員の方が仰っていた、「話が上手く伝わっているか分からない」と言った悩みを実感しました。私たちは文化圏の違いによる考え方やコミュニケーションの難しさを解決するために、スポーツ観戦やBBQなどの身近にできるイベントから社内で行う日本語教室など長期的な交流を包括した解決案を提案することができました。
津田商店様
私たちは株式会社津田商店様という主に学校給食向けに、水産加工品を取り扱っている企業に、インターンシップとして参加しました。インターンシップでは、企業説明や実際に工場見学も行いました。他にも缶詰のサンプル作成や品質検査など業務体験を行いました。この体験を通して、私たちは、改善案を出す際、現実的に可能かどうかを考え、課題解決に取り組むことが出来ました。取り組みに関しては、オンライン販売を行っている「子どもようおさかなさん」の販売促進を促すために、何が必要か考え、販売価格の見直しや新たなSNSのご提案をさせて頂きました。
■釜石スタディケーション情報発信 公式SNS
Instagram:https://www.instagram.com/bgu_inkamaishi/
過去のプロジェクト
2024年度プロジェクト News Releaseはこちら
1.2024年5月12(日)~5月26(日) 7名の経営学部学生と留学生1名が参加。
①宿泊施設でのインターンシップ
・接客等を通じて、地元や地方の方々とふれあい、釜石市の良さを探求、発信し、学びを深める。
②地元の水産加工品会社にてインターンシップ
・地元が誇る名産品を全国に届ける企業にて、商品を学び、学生が感じる良さを追求、研究、発信予定。
③地元酒造にてインターンシップ
・訪問取材をもとに、課題と解決を考察。地酒の情報発信予定。
④自治体でのインターンシップ
・国際交流課の業務サポート、市内保育施設サポートに、本学の留学生が参加。
「2024年度 釜石スタディケーション」
下記は、それぞれのインターンシップ先での取り組みについての学生報告です。
浜千鳥様
私たちは2週間で大きく2つのことに取り組みました。
1つ目は就労体験や実際に酒米を作っている農家さんなど多方面で活躍している方へのインタビューです。実際に会話することでネットでは学ぶことができないリアルな情報を手に入れることができたと感じています。
2つ目は、一週目で得た情報をもとに、浜千鳥様の課題解決に取り組みました。課題解決をしていく中で、チーム内での役割分担がこの取り組みの要でした。自分の役割を全うしていく中で沢山の議論を重ねながらも、自己理解を深めることができたと感じています。また、企業と地域の深いつながりといったコミュニティー形成の仕方についても学ぶことができ、非常に良い経験になりました。
宝来館様
私たちは鵜住居地区にある宝来館という旅館でインターンを実施しました。午前中の業務では館内の清掃やお客様がチェックアウトされた後の部屋掃除などを行いました。この作業中、旅館の責任者の方から「うちは部屋の汚さでクレームをうけたことがない。」「業務において清掃が一番大切だ。」と教えられ、掃除をすることの大切さやお客様を大切にする思いやりの精神を学びました。午後の作業ではお客様の夕食の配膳や、布団のシーツ張りの作業などを行いました。夕食の並べ方も細かく配慮されていて、「物には天と地があり、お客様のことを考えた並べ方がある。」と教えられました。今回のインターンで、旅館で行われるすべての作業は、お客様を思いやる気持ちからきているものだと感じました。
津田商店様
私たちは株式会社津田商店という水産加工品を取り扱っているインターンシップに参加しました。一日目の工場見学では、事前調査では知ることのできない細かな作業工程を見たことによって、徹底した衛生管理や、高品質な製品作りをしていることが分かりました。「子どもようおさかなさん」という子供向けの冷凍食品に関する新規顧客獲得・既存顧客のリピート率向上に向けて課題解決を進めていく上で、セット販売の新たな内容などの提案をしました。チームで役割分担をしながらプロジェクトを完成させていく中で、企業が求めている課題に沿って試行錯誤を行いながら意見を出し合うことで良い提案をすることが出来ました。
釜石市役所様
私は、釜石市役所の国際交流課でインターンシップに参加しました。インターンシップの主な内容としては、国際交流課の業務のサポートが中心になります。さらに、「英語遊び」のサポートも重要な役割を果たします。保育園で1歳児~5歳児に英語を教えました。ゲームをしたり、本を読んだり、歌ったりしたことで子供たちが楽しんで英語を学ぶことができました。
幼児とコミュニケーションを取る際に、言葉だけではなく、ジェスチャーや表情など、非言語的なコミュニケーションも大切であることを学びました。
2023年度の実施内容はこちら