保育実践研究センター
ふらっと文京

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もくもくと…

2019.10.14

ある開所日、ふらっと文京の一角に、素敵な街が生まれていました。

 

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ずらっと並んだ積み木たち

 

ふらっと文京には街模様のマットと、乗り物や動物、人、木のかたちの積み木があり、普段からこのマットの上で、子どもたちが積み木を動かしながら自分だけの世界を遊び、語り、表現しています。

この日はある男の子がもくもくと、とても集中しながら、保護者の方に静かに語りながら、マットいっぱいに自分の世界を広げていました。

よ~く見てみてください。乗り物の世界、生き物の世界に分かれていたり、生き物の向きが揃っていたり。

 

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水辺には水辺の生き物が!

 

本当によく集中して並べていて、その気迫と完成度に、周りの子どもたちも興味深げに近づきながらそっと離れていきます。写真を撮らせてもらう時の保護者さんのお話では、いつもこのようにじっくり並べて、出来上がったものを写真に撮ってほしがるそうです。自分の大切な世界として表現しているんだなあと、ますます素敵に見えてきます。

 

子どもたちは生まれてから毎時毎日、冬の空気の冷たさ、夏の日差しのまぶしさ、生き物のふわふわ、レモンのすっぱさ、土の匂い等々、様々な刺激を五感で全力で受けて生きています。その中で、車がかっこいい!生き物がかわいい、すごい、というようなことも発見して、大好きになって、自分の世界をつくっていきます。

このように積み木を並べたり、お絵描きをしたりといった表現あそびは、子どもの中に出来てきているその子だけの大切な世界の断片が表現されているもののようで、とても愛しく、尊いものに感じます。

 

一通り並べ終わって一息ついているところに、このおもちゃで遊びたい他の子が近づいてくると、少しの葛藤の後に、場所や積み木を共有していました。自分の世界を作り上げながら、周りとも関わり合い、この世界で生きていく大切な存在になっていく。そのような過程に関わることの喜びを感じる場面でした。