髙島屋と産学連携協定を締結 ~AI活用で江戸小紋の伝統継承と地域産業の活性化へ~
2025.09.25
2025年9月22日、本学は株式会社髙島屋と産学包括連携協定を締結し、「ヒト×AIの共生による地域産業活性化プロジェクト」を始動しました。
経営学部のデザインの経営史研究ゼミ(担当:川越仁恵教授)では、技術の継承及び図案の新作誕生が難しい「江戸小紋」に着目し、江戸小紋の古い作例の分析とその特質をマーケティング調査することで、2022年4月に図案制作理論を体系化することに成功しました。
また、図案の考案においてはモチーフをランダムに配置することが最大の課題になりますが、そのランダム配置を解決する独自のアルゴリズムを開発。職人の作業を支援するAI生成プログラムを完成させ、2024年5月には新作「スイーツ尽くし小紋」を商品化しました。2025年にはモチーフの点描化AIシステムの構築も進め、伝承が難しい職人の技をデータサイエンスとデザイン思考で分析・方法化・実証し、伝統工芸産業の活性化を目指していきます。
そして、髙島屋では理念と本学の研究成果が合致したことで、このたび産学連携による地域産業の活性化を目的とした本プロジェクトがスタートしました。同社の若手社員も参画し、ユーザー視点を重視した商品開発に挑戦。今後は学生と社員が協働し、江戸小紋に限らず新たな活用方法も模索していきます。AIを「支える技術」として位置づけ、伝統と未来をつなぐ取り組みです。
産学連携協定締結と同時に文京学院デザインシンキングセンターと髙島屋で受託研究契約も締結しています。
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経営学部 川越仁恵教授
専門分野 : 伝統産業史 工芸技術史 歴史民俗学