21991年-1996年

文京女子大学の開学

先進的なカリキュラム

文京女子大学では、開学当初から先進的ともいえるカリキュラムを組みました。それは、創立者・島田依史子の建学の精神を受け継いで、「女性に自立の力を」を重視し、常に社会の動向を見据えた「一歩先を行く新しい内容」となる多様な科目で、女性の能力の発揮と社会的活躍を支援する、という方針によるものでした。

ゼミナール主義

教育方針として特に大きな特徴として掲げたのが「ゼミナール主義」でした。ゼミナール教育は文京女子短期大学での実績を引き継いだもので、2年次から専門演習が始まり、同じ指導教授のもとで3年間にわたって学修します。ゼミ在籍率は常に90%を超え、カリキュラム上の中核としてだけではなく、4年間の全人的教育の基盤となっています。また、ゼミナール活動を補完する施設として、1994(平成6)年3月に、長野県南軽井沢に「文京学園軽井沢セミナーハウス」を開設しました。

専門ゼミ
専門ゼミの様子

本郷キャンパスの整備

1990年代には、都内に立地する本郷キャンパスの充実を図るため、教室棟など施設の整備を進めました。まず、1991(平成3)年3月末に、本館(前・S館)西側の新教室棟(現・D館)とギャラリーで結ばれた学生ラウンジ棟(現・B’s Dining)が落成しました。また1994年には、夏季の休暇中に、建築後30年を経過した本館(前・S館)の大規模なリニューアル工事を実施しました。

「30kmウォーク」
「東海道五十三次ウォーク」
の開始

開学初年度の1991(平成3)年11月、「30kmウォーク」が行われ、1年次生55名がふじみ野キャンパスから本郷キャンパスまでの約30kmを踏破しました。1994年に文京学園創立70周年記念行事として実施した「東海道五十三次ウォーク」は、その後も継続して4回にわたって行われました。学生自らがコースの沿線地域と交渉を行ってイベントを企画・運営する経験を重ねることで、教室外の学びを重視する経営学部の方針を実践する場となっています。両イベントは現在、「30kmウォーキング」(毎年開催)、「五街道ウォーク」(隔年開催)として全学部の学生対象に開催されており、文京学院大学の重要な伝統行事となっています。

出発式
京都の三条大橋のたもとで行われた第2回出発式(1998年)

島田依史子記念館の建設

1995(平成7)年2月、本郷キャンパスで、「仁愛講堂」の工事が開始されました。仁愛講堂は、島田和幸第2代理事長が1980年代の初めに建設を構想したものですが、理事長の急逝があり、理事会の正式な議題には至っていませんでした。その後、本郷キャンパス拡充の一環として、1992年に、大学、将来の大学院、生涯学習施設、図書館施設を併せもつ講堂の建設が決定しました。そして1996年4月、最初の仁愛講堂の建設計画から約14年を経て、ついに講堂棟と図書館棟が落成しました。完成と同時に、建物全体を「島田依史子記念館」とし、仁愛講堂は「仁愛ホール」と名づけられました。

島田依史子記念館
仁愛ホールの上のスペイン広場と生涯学習センターの外観

公開講座の開催と
生涯学習センターの開設

誰もが学びたいときに学べる生涯学習社会の実現に向けた取り組みとして、1992(平成4)年4月、本郷キャンパスで公開講座「イブニング・フォーラム」を開始しました。さらに、1996年4月からは、島田依史子記念館に新たに完成した「文京女子大学・文京女子短期大学 生涯学習センター」(現・「文京学院大学 生涯学習センター」)で、一般社会人へ向けたリカレント教育の本格的な取り組みをスタートさせました。

シンポジウム風景
シンポジウム風景(1996年)

長期留学プログラムのスタート

本学の国際プログラムは、すべての学生を対象とした留学プログラムと、学部独自の海外プログラムから構成されています。1992(平成4)年から米国のミルズ大学への短期留学を実施、1996年からはニュージーランドのオタゴ大学への派遣留学がスタートしました。また、経営学部独自の海外プログラムの一つとして、ゼミナールの海外研修も開学当初から実施しています。

島田和幸記念アトリウム
ゼミナール海外研修でサンフランシスコの毎日新聞社を訪問した学生たち(1994年)