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第二回 新・文明の旅 下見 七日目

大学2014.03.09

3月8日(土)

 

■木村先生メモ

 

大野先生・寺林さん・木村チームは、引き続きカウナス市内の視察を行いました。旧市内の街並みや教会、美術館などが点在しているが、観光客で賑わうような場所は特にありません。その分、市民の生活感がより身近に感じられます。そこで今日は、街に2つあるケーブルカーに乗車してみることにしました。2つともわずか100メートル程度の斜面をへばりつくようにゆっくり昇降します。ネムナス川を渡ったところにあるケーブルカーの上からは、カウナス市内全体を見渡すことができました。ネムナス川とネリス川に挟まれた水辺に街が広がってきたことが一目で分かり歴史の理解が深まります。民俗学の宮本常一曰く、フィールドワークの際は、「まず街の一番高いところに登れ」ということが大切なのですね。

 

午後は、カウナス駅から列車でヴィリニュスまで1時間ちょっとの移動です。2両編成の特急列車ですが車内は2階建てになっています。土曜日ということもあり満席でした。ヴィリニュスに到着してから分かったのですが、この日は年に一度の春を迎えるお祭りがあるため、ヴィリニュスには大勢いの人が集まってきたのでした。

 

列車の移動は、市民の生活を間近に見ることができます。4歳ぐらいの男の子が、おばあちゃんにいろいろと話しかけたり、列車の警笛に驚いては周囲の笑いを誘ったりしていました。バルト三国とポーランドはBaltic Railwayで繋がっているため、多少時間はかかるかもしれませんが移動手段として検討する価値はあると思います。東海道や中山道を一歩一歩進んでいくように、新・文明の旅もゆっくりと着実に前進できると良いのではないでしょうか。ヘルシンキからもバルト三国の北端のエストニアにフェリーで入ることができるので、ポーランドのクラクフまでのちょっとした冒険の旅になるかもしれません。

 

 

 

ヴィリニュスに到着後、寺林さん・木村チームでヴィリュニス市内を探索しました。寺林さんお勧めの「夜明けの門」という城門の中には、聖母のイコンが掲げられています。初老の女性が両膝をついて階段を一段一段、祈りをささげながらイコンの前まで進んできたのが印象的でした。旧市内の道はかなり入り組んでいますが、フィールドワークの際など学生は迷わず目的地にたどり着けるでしょうか。明日は、最後の訪問国ラトビアに向けて出発します。