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2018年9月29日(土)「子ども大学ふじみの」を取材しました【ふじみ野キャンパス:学生記者】

大学2018.10.10

 9月29日土曜日、文京学院大学ふじみ野キャンパスにて子ども大学ふじみの実行委員会主催の「子ども大学ふじみの」が開講しました。子ども大学は毎年この時期の数日間に行われ、大学の教員やスペシャルな講師の方々が普段なかなか学ぶことの出来ないようなことを教えて下さるプログラムです。対象は主に小学生が対象であり、座学だけでなく体験しながら学ぶ機会があります。
 今年は3日間に分けて行われ、今回は最終日の「森の成り立ち&ネイチャーアート」と「ふじみ野市を知ろう」について取材させていただきました。

 最終日最初の講義は、木村学(きむらまなぶ)先生による「森の成り立ち&ネイチャーアート」でした。本来なら大学の近くにある市民憩いの森で行われる予定でしたが、あいにくの雨により足元が悪かったため、大学内のアトリウムにて行われました。木村先生の講義では森の成り立ちを知るため、市民憩いの森にある植物についてクイズを含めて紹介をしてくださいました。
 

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▲人間学部の木村学先生


 講義のはじめに木村先生は小さな木琴のような楽器を出しました。子どもたちが学校の音楽室で見るような木琴とは異なり、すべての鍵盤が同じ大きさでした。しかしその音色は、鍵盤1つ1つで違っていました。実はこの木琴は鍵盤に使われている木の種類が異なり、その木の性質に応じた音色が出る作りになっていました。
 続けて木村先生が紹介したのは瓶に入った、スズメバチの亡骸でした。それを見た子どもたちはとても驚いていましたが、普段近くで見ることのないスズメバチだけあって子どもたちは興味津津でした。


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▲(写真左)講義風景、(写真右)木琴風の楽器

 次に木村先生は、用意していた憩いの森にある様々な樹木の写真を子どもたちに紹介してくれました。
 

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このドングリは何さいかな?


 この状態で1才ぐらいだそうです。そうすると、憩いの森の木々は何さい?ということを考えるために別の写真を見せてくれました。


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▲(写真左)この樹木は何さいかな?、(写真右)木の年輪

 次の写真は成長した木ですが、ここまで大きくなるとどの木がどのくらいの年齢なのか、見分けるのが難しくなりました。そのような場合の見分け方として、木の断面にある年輪を見ることでおよその年齢を知ることができるそうです。でも実際に断面を見るには木を切る必要があるため、木村先生が実際に見つけた木の断面を参考にして別の方法を教えてくれました。先生が見つけた木の断面は年輪から見るとおよそ70歳でした。その断面の周囲に紐を巻き付けて、紐の長さを測ります。そうすると紐の長さが約100cmでした。この値を参考にすると、他の樹木も周径の長さから年齢が分かるそうです。

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▲(写真左)用意した木の断面、(写真右)紐

 幹回り100cmで70歳ということを踏まえて今度はもう少しい大きな樹木の年齢を考えてみました。


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▲(写真左・右)この樹木は何さいかな?


 上の2枚の写真は木村先生が憩いの森で見つけたなかでも特に幹回りの大きい樹木だそうです。幹回り220cmの方は約150歳、280cmの方は約200歳だそうです。こうして考えてみると、市民憩いの森が今の状態になるまでに相当長い年月がたっていることが分かりました。
 番外編として屋久島にある縄文杉の写真も紹介してくれました。
 

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▲屋久島の縄文杉の写真

 もはや単位が変わってしまうぐらい大きな木で、年齢を調べるのも一苦労なぐらいの数字でした。その年齢も何千歳単位で、樹齢7千年と言われているそうです。

 森林の成り立ちを学んだ後、次は「ネイチャーアート」作成の体験です。ネイチャーアートではプレートに葉っぱや小枝といった森に落ちているものをはり付けて作る作品で、こちらも木村先生が多くの材料を用意してくれました。


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▲(写真左)ネイチャーアートの実物、(写真右)ネイチャーアートの作り方

 はじめに貼りつける材料を決めるのですが、ケヤキやサクラの葉っぱや木の小枝だけでなくドングリやねこじゃらしといった様々な自然のものが用意されていたため、子どもたちもたくさん材料を選んでいました。また、何度も往復して材料を持っていく子どももたくさんいました。木村先生もみんなの作品を見ながらアドバイスをしたり手伝ってあげたりととても忙しそうでした。工作中は子どもたちはもちろん、木村先生もとても楽しそうでした。


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▲ネイチャーアートを体験する参加者


 子どもたちみんながそれぞれ工夫を凝らしていたため、時間が足りなくなりそうになりましたが、終了した時には、とてもきれいなネイチャーアートを見せてくれました。これで、最終日前半は終了し、次はふじみ野市市長による特別講義の時間です。


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▲完成したネイチャーアートを掲げる子どもたち


【学生記者より】
 今回あいにくの雨により外で活動することができませんでしたが、木村先生の豊富な準備により最後まで充実した時間を過ごすことができました。木村先生の講義で樹木の年齢を知った際、自分の住まいの近くにある小さな公園も1つできるのに何十年、何百年もかかるのだろうと思うととても興味深いと思いました。


 ネイチャーアート自体は、今回初めて見ましたが子どもたちが作っている様子を見ていると、とても楽しそうでした。落ち葉や木の実など自然にあるものは季節によって様々な種類があるため、季節を変えて作るとまた一味違った作品になって面白いと思いました。これからの時期は紅葉で、モミジやイチョウといった葉が多く、きれいな赤や黄色のある作品ができそうと思いました。
 これから山間部など出かけた際、見かけた樹木がどのぐらいの年齢なのか調べてみたいと思いました。


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 後半は場所を変えて休憩をはさんでから行われました。講師はふじみ野市市長であり、子ども大学学長でもある高畑博先生による「ふじみ野市を知ろう」が行われました。

 講義の内容は、ふじみ野市にある施設や市内のシステムについて紹介するものでした。冒頭高畑先生が、埼玉県の地図からふじみ野市の場所を紹介していましたが、子どもたちのほとんどが場所を知っており、先に教えてくれた子どももいました。
 

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▲ふじみ野市に関するクイズの様子


 そのほかにも市役所や環境センター、給食センターなども紹介してくれました。子どもたちも普段見る機会のある施設なうえ、なかには社会科見学で見に行ったことのある子どももいたため、「おー!」や「知ってるー!」といった声が多く聞こえました。

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▲講義の風景


 施設だけでなく、市内の防犯・防災や地域で生活するために関わる、自助、共助、公助などについても紹介してくれました。そして、講義の最後には「これからも地域で生活していくために子どもから大人までみんなで協力し合うことでより暮らしやすい地域になる。」ということを伝えて講義は終了しました。

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▲講義風景


【学生記者より】
 高畑先生の講義はイラストや写真が多くとてもわかりやすい講義内容でした。また、地域の中でも子供たちにとって身近な内容を多く取り上げていたため、子供たちにとっても伝わりやす講義であったと思います。また、講義中子供たちが小学校のことや地域のことについて高畑先生に教える場面もいくつか見られ、高畑先生のほうが勉強になったとおっしゃっていたところに高畑市長の地域とのつながりを大切にしている気持ちが伝わってきたような気がしました。

 平成30年度子ども大学最終日はあっという間に終了し、3日間講義に出てきた子供たちには高畑市長から修了の証書が手渡されました。

 

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▲ふじみ野・高畑市長から「修了証書」を受け取る生徒たち

 そして、最後に高畑市長と子供たちから今年の子ども大学についての感想をいただきました。ここでしかできないような貴重な経験をすることができ子どもたちもとても楽しかったそうです。

 生徒のみなさん3日間お疲れ様でした。そして今回講師を務めていただいた、大学の教員方、高畑市長、本当にありがとうございました。

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▲(写真左)ふじみ野・高畑市長による講評、(写真右)参加した生徒から一言
 

【学生記者より】
 今回で子ども大学ふじみ野を取材するのは2回目になりますが、前回は初日の開校日を取材させていただき、今回は最終日のみ参加と、いいとこだけ参加したみたいになってしまいました。
 子ども大学ではいつも楽しく、なおかつ他では経験できないような講義内容ばかりのプログラムであるため、取材している私自身が楽しませてもらう場面がたくさんありました。今回の木村先生と高畑先生の講義を聞いていると、街中だけでなくもっと緑の多い場所を歩いてみたり、自分の住んでいる地域についてもっと知ってみたりしたいと思うようになりました。今回も含めたプログラムはどれもあっという間に時間が過ぎてしまうぐらい内容が充実しているため、延長として第2回をやってもまだまだ楽しめそうと思いました。むしろさらに深く掘り下げることで、また新しい発見もできてくるのではという印象を受けました。
 前回の子ども大学を含めて、取材に協力してくださった実行委員の方々には感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

 


◆取材・記事執筆  作業療法学科 3年  小口 裕士