国際交流センター

留学体験談

【アメリカ】カブリヨ大学 フィールドワークレポート②

留学先    :Cabrillo College
学部・学科  :人間学部 児童発達学科
留学期間   :2019年3月10日~3月26日           
氏名・学年  :M・Tさん(留学時:1年生) 



1. 初めに

 私はこの海外短期フィールドワークを高校生の時から行きたいと思い、この大学に入った。実現できて嬉しかったが、自分の現在の英語の知識で会話ができるのだろうか、初の実習が海外で上手く子どもと関わることができるかなど不安はあった。しかし、事前の英語の授業や周りの人の優しさに包まれ、とても良い経験をさせていただいた。
 そして今回の留学で日本と海外の幼児教育の異なる点を重点に観察と実習を行った。私はまだ日本の実習に行ったことがないので、ボランティア活動で学んだことや自分が通っていた保育所と比べて違いを見つけた。

2. ガブリヨ大学子どもセンター

 ここは乳児(infants)、幼児前期(toddlers)、幼児後期(preschoolers)の3つの施設がある。観察室があり「ふらっと」のような場所である。
 まずは乳児(infants)である。おやつタイムの後に飲み物を先生が出していた。食べている時にこぼさないようにする配慮だと思った。先生はミルクを子どもでも注ぐことができる量をボトルに準備して、子どもが自分自身で注いでいた。自分でもできることがあるということを発見するためだと言っていた。おもちゃとして本物のスプーンを使っていた。また日本と異なることは、先生1人に担当する子どもが決まっていた。担当している子どもについて良く知ることができるし、その子にじっくりと寄り添うことができて良いと感じた。しかし、担当ではない子どもにも話しかけていた。それは担当の先生がお休みの時にその子の情報を知っていることで、その子にあった関わりができるようにするためだという。また、先生同士で話し合いをして、危険なことを他の子どもにもしないように情報共有をするためである。
 また気になった点として、まっすぐ行くとすぐに外に出ることができる環境になっていた。中で遊んでいた子どもが外に行こうとすると、先生は外の入り口まで行くが外には出ない様子が見られた。こちらでは外、中、全体の責任者で分かれているという。
 次に幼児前期(toddlers)である。おやつを食べる時間が子どもによってバラバラだった。日本ではいただきますから、ごちそうさままでをみんなで集まって決められた時間にとるので驚いた。また、日本では一人分のおやつの量が決まっている。しかしこちらでは、子どもがボールに入っていたおやつを自分で取っていた。理由として家庭でもそのような食べ方をする文化であることもそうだが、自分が食べることができる量を考えることができるようになるためであるという。
 施設の環境にも違いが見られた。泡やハンモックがあった。泡を口に入れてしまう可能性も考えられる。また、ハンモックはぐるぐると回っていて、子どもが落ちたら危険だと感じた。おもちゃの種類は多いが危険なものもあると思った。しかし、これらは安全と証明されているものであり、さまざまなものに触れて感覚を楽しむことを大切にしているという。天井にも物がつるされていた。上から落ちてしまったら危ないが、転んだ時など上を見上げた時に注意を引くような環境づくりである。
 次に幼児後期(preschoolers)である。子どもが外で遊んでいる時を観察していると、先生は近くで見ているだけで、先生から子どもと関わっている姿が見られなかった。子どもが主体的に遊ぶことができるようにするためであるという。先生たちの服装がヒールのあるサンダルの人やスカートの人もいた。日本では安全で動きやすいような服装で保育をするので驚いた。そのクラスのMaster teacherにもよるが先生だけが特別ではないという考えもあると教えてくれた。

3.シムカプリスクール

 2歳から5歳までの子どもを3つのクラスに分けて少人数で構成されている。さまざまな国の人形が置かれていた。このことで、子どもの時から肌の色の違いに差別がない心に育つと思った。テーブルが3つあった。1つ目は絵を描くところ、2つ目は注射器やスポイトを使って絵の具であそぶところ、3つ目はブロック遊びができるところで分かれていた。子どもたちは自由に遊びたいと思う机に行き遊んでいた。また、たくさんの種類のおもちゃがあり、多くのものに興味関心を持つことができる環境になっていた。外にはピアノがあった。ピアノは日本では先生しか触ってはいけないもののような存在だが、外にあることで子どもたちは見かけると鍵盤を押して楽しんでいた。裸で遊んでいる男の子がいた。先生は天気が悪くない日だけ裸になっても良いと言っていた。
 昼食の時間になった。ご飯を食べる前には先生が砂時計を見せて30秒ほど静かにする時間を設けていた。騒いでいた子どもが一気に静かになり、感心した。メリハリをつける練習になると思った。昼食は丸ごとそのままのリンゴを持ってきていた子やゆで卵をそのまま持ってきていた子、ポップコーンを持ってきている子がいた。日本とは異なる食文化に子どもたちの昼食を見ることが楽しかった。ゆで卵の殻を剥くのはとても上手で慣れていた。野菜を残してしまう子どもがいた。野菜を好まないことは日本と同じだと感じた。しかし、先生は注意をしていなかった。ミカンの皮を剥くことができずに先生に頼んでいる子どもがいた。先生は硬い部分だけむいてあげていて、残りを子どもが剥いていた。できることは子どもがやるというやり方は日本と同じだと感じた。みんなで食べ終わるのではなく、食べ終わった子どもから外で遊んでいた。食べている子どもと遊んでいる子どもがいる環境だった。
 その後は15分ほどのアクティビティの時間があった。人形劇やダンスをする時間があった。人形劇で悪人が出てきたら、自分が作ったおもちゃを振っていた。おもちゃをお話と連動する遊び方があることに気づいた。
最後帰るときに男の子が「Stay with me」と言ってくれた。言語が異なりあまり会話が取れなくても心で繋がることができると感じた。

4.リズコットスクール

 ここはKから8年生まである公立学校である。日本では幼児、小学生、中学生と幅が広い異年齢が集まった学校はないので異なることはたくさんあった。日本は学年ごとにクラスを分け同じ年齢同士で授業を受けている。しかし、ここでは、1年生から3年生の異年齢のクラスがあり、その子の能力に応じてクラス分けがされていた。このことにより、1.2年生は3年生の上の年齢の子
を見て頑張ろうという気持ちになる。自分たちより能力の高い人といることで、水準の高いところにいけるという。また、3年生は1.2年生の問題に戻り、復習ができる環境になると教えてくれた。 私は塾講師をしている。年齢は同じでも能力は一人一人異なることはよく分かる。塾は個別だからその子に合わせた教え方やレベルの問題ができるが、日本の学校は一人一人に合った教え方ができにくい環境である。このように能力によって分けることは、その子にあった教えができて良いと感じた。
 また、勉強をする机が円になっており、色々な人の顔が見え教えてもらいやすい環境だと思った。6.7人ほどの少人数の円でもあり、読めない箇所があると隣の人以外の人でもその子が困っていることに気づき、教えてくれたりして本を読んでいた。勉強が身につくことはもちろん、さまざまな人との関わりや協力性を学ぶことができる環境作りだと分かった。
 異なる点としてペンと紙だけで机に向かって勉強する日本の授業とは異なり、歌ったり踊ったり劇をしたりする時間がたくさんあった。日本は歌うとなると合唱がほとんどで、みんなと同じ歌を一緒に歌うだろう。しかし、ここでは小学校低学年の子が一人で歌っていた。歌や踊りを通して自分を表現することが日本の子より慣れていると感じた。みんなが歌ったりしている時にベッドの2階で3人の子どもがいた。私は子どもが怒られてしまい、みんなとは違う場所にいるのかと疑問に思い先生に聞いてみたら、ベッドはまだ本を読みたいと言った子どもが読むことができる場所にしていると言っていた。日本の幼児教育は、子どもが主体的だが、小学生になると時間割通りに集団で行動するようになる。ここは自由な面があり、日本とは異なる点だと分かった。子どものやりたいことを大切にする教えだと分かった。子どもと先生との関わりでは、先生は昼食の時に一緒にいないことがわかった。また、先生の中に子どもの親がいた。日本でそのような環境だと恥ずかしいと思う子や、自分の子どもにえこひいきするのではないかというクレームが出るのではないかと思った。

4.Homestay

 私はPantzloff家にホームステイさせてもらった。父親のブルースはしっかりしていて家族の柱のような存在だった。物静かだが、たまにジョークを言うおもしろい人だった。マーガレットは料理がとても上手だった。初めて食べたメキシコ料理はとても美味しかった。たくさん迷惑をかけてしまったが、どんな時も「it is ok!」と優しく接してくれた。また一人暮らしをしている長女マニカの話しをたくさんしていてとても家族思いなお母さんだと感じた。マーカスは日本語がとても上手でたくさんお世話になった。私たちに合わせて日本語で話してくれた。私たちが英語を理解していないようだと日本語で通訳してくれた。
毎日一緒に食事をとってそれぞれが今日あった出来事などを話していた。この年齢になるとバイトや友達と遊びに行ってしまい、家族みんなで食事を取ることもしなくなっていたので、本当に大切なことは何なのか気づかせてもらった。
 知っている単語を並べるような私の下手な英語も理解しようとしてくださり、通じると褒めてくれた。初め言いたいことがあっても英語では言えないからと諦めていたところがあったが、 勇気や自信を持って話すことができた。また、私が行きたいと言った場所、食べたいと言ったものすべて叶えさせてくれた。とても楽しい日々を過ごさせていただいた。このような素敵な家族に出会えてよかった。この感謝を忘れずに恩返ししたいと思う。
 最後に今回のフィールドワークでたくさん学んだことがある。テーマだった海外と日本の幼児教育の違いを知ることはもちろんのこと、多くの人にお世話になり、人の温かさと大切さを改めて感じた。そしてまだ人に頼らないと生きてはいけない自分の未熟さを痛感した。この経験や学びを将来に活かすことが1番大切なことである。

 I found differences in Education between Japan and America. For example, the teachers didn’t play with children. They watched children. There are more various toys in America than in Japan. And some children read the book, some dance, some sing, and there is not a routine schedule. I would like to adapt good education in America.
 I stayed with the Pantzloff family. The father, Bruce is very funny. Sometimes he said jokes.Margaret cooked dinner well. It was very delicious.We had trouble. But she said, “it is ok with me”, with smiles.Marcus, thank you for translating. First I gave up talking in English. But they are kind. So l thought that I wanted to talk in English. The family is very nice. I’m so glad to have met them. I will go to meet them again.
Last, to all the people I met in Santa Cruz, thank you very much for your help for two weeks. I learned many things by studying abroad. I’d like to make the most of what I’ve learned. I would like to return the favor to all in the future. Thank you so much.