国際交流センター

留学体験談

【タイ】GCI語学・異文化理解留学レポート➀ 2025

【留学先】   タマサート大学(Thammasat University)
【学 部】  外国語学部 国際ビジネスコミュニケーション専攻  
【期 間】  2025年8月8日~9月5日          

【氏 名】   Tさん(留学時:1年生)


はじめに

私がタイ留学を選んだきっかけは、タイの価値観と財政状況に興味を持ったからである。タイには「マイペンライ」(気にしない)という考え方を持っており、物事を柔軟に捉え、人間関係を大切にしながらも過度に自分を追い込まない生き方をしているのではないのかと考えたからである。私はそういった価値観に直接触れることで、自分自身の心の持ち方や人との関わり方などを改めて見直すきっかけになるのではないかと考えていた。また、タイでは貧富の差が大きいことも特徴でありスラムで生活している人に興味が湧いた。タイ留学を通して特に印象的だったことは、スラム街に訪れたこととCultural Exchangeで関わった学生である。これらの体験が私の留学生活に大きな影響と深い異文化理解をもたらした。

 

スラム(人口密集コミュニティ)で目にしたもの

1つ目の印象的だったことは留学中に授業の一環としてバンコクにあるクロントゥーイ地区(スラム街)に訪れ衝撃を受けた。スラム(人口密集コミュニティ)と言えば、インフラが整備されていないことや洋服などがそこら中にばらまかれていると想像するだろうが、実際に訪れるとテレビや報道で流されるような危険な場所ではなく、インフラも整備され綺麗な街だと感じた。家がない家族もいるのではないかと考えていたが、家がないことはなく一家族一戸の家が存在する。また、1ライ(1,600平方メートル)という家の区切りの中に村長や市長のような存在がいるのか新しい疑問が生まれた。

 

人間の幸せとは何か

スラムに住んでいる方々は、限界の暮らしをしているにも関わらず幸せそうに見えた。普通の暮らしをしている人たちから見たら精神的に参ってしまいそうに感じた。しかし、スラムの方々は、このような生活に慣れているのかもしれないが、私の目からはこの限界の暮らしの中で小さな幸せを見出しているように感じた。さらに、「微笑みの国」と言われているように挨拶をしたら笑顔で挨拶をしてくれたのでとても気持ちが良かった。このことから、人間の幸せとは、大きな家に住み、美味しい食事を取り、立派な車に乗ることだけが幸せではないと深く考えるきかっけになった。また、クロントゥーイ地区に住む人々は不幸には見えなかった。

 

言語が違う者同士の関わり

2つ目の印象的だったことはCultural Exchangeでのタイ学生との関りである。タイ学生との関りの中でタイでの暮らしの新しい発見ができた。例えば、夕食が日本より早いことや食べ方のマナーや風習なども学ぶことができた。また、一緒に食事や映画などを見た。タイの学生たちとは言語が違っても身振り手振りを使うことや満面の笑みをすることで十分にコミュニケーションができ、楽しい時間を過ごすことができた。こうした交流はかけがえのない貴重な時間になった。また、このような交流を通じて、異文化理解とはただ単にその国について調べて終わりだけでなく、現地に訪れ、交流し、共生することで初めて異文化を理解できると感じた。

 

終わりに

タイでの留学生活は、私にとって単なる学問的な学びに留まらず、価値観や人との関わり方、そして「幸せとは何か」という本質的な問いに向き合う大きな経験となった。スラム街での現地の人々の出会いや、言語の壁を越えたタイの学生との交流を通して、私は多様な生き方や考え方に触れ、自分自身の視野を広げることができた。異なる文化に身を置くことで得た気づきや感動は、これからの人生においても大きな糧になると感じている。今後も、今回の経験を活かし、多様性を尊重しながら柔軟な視点で人や社会と関わっていきたい。

 

修了式後の様子(タイの学生達と一緒に)