コンテンツ多言語知財化
センター

センター長ご挨拶

コンテンツ多言語知財化センター長 中路 真紀よりご挨拶

 

 文京学院大学コンテンツ多言語知財化センターは、2005年の設立以来、コンテンツ制作支援や多言語化、知的財産の管理を軸に、教育と実践をつなぐ拠点として活動してまいりました。本年、当センターは設立20周年という大きな節目を迎えることとなりました。これまでの歩みを支えてくださった皆さまに、心より感謝申し上げます。 
 
 本センターの特長は、プロのクリエイター、デザイナー、プロデューサーとしての実績を持つ教職員による実践的かつ専門的な指導と、学生たちの自由で柔軟な発想が交差する教育環境にあります。一人ひとりの学生に対して丁寧に制作指導とディレクションを行うことで、単なる表現技術の習得にとどまらず、社会的価値を生み出す力を育むことを目指しています。学生たちは、講義やゼミで得た知見を基に、企業や地域と連携したプロジェクトに取り組む中で、実践力と創造力を養い、失敗を恐れず挑戦し続ける姿勢を身につけていきます。たとえば「椿ランタンプロジェクト」では、学生たちが企画、デザイン、広報までを一貫して担当し、その成果は学外でも高く評価されています。2017年に伊豆大島の災害復興支援・観光の活性化を目指してスタートしたこの活動は、代々の学生に受け継がれ、2021年にはインド、2022年にはウクライナの学生と交流し、2025年には能登半島の復興支援として新たな明かりを灯しています。また、東日本大震災の復興支援活動として立ち上がった「ブレーメンズ」プロジェクトでは、学生たちがチャリティグッズを企画・制作・販売し、その売上を全額、支援団体に寄付しています。震災から10年以上が経過した現在もなお、支援を必要とする方々へ思いを寄せながら、「デザインの力」を通じて社会課題の解決に取り組む貴重な学びの機会となっています。さらに、2009年には外務省および日・ASEAN事務局の協力を得て、当センター内に「ASIAGRAPH CGアートギャラリー事務局」を設置し、国際的なクリエイター同士の交流促進にも尽力してまいりました。 
 
 この20年の歩みの中で、デザインは単なる表現を超え、課題解決や社会貢献の手段としてその役割を大きく広げてきました。私たちはこれまでの活動を糧に、今後も学生、教職員、地域、企業の皆さまと手を携えながら、デザインを通じて「学びと社会をつなぐ創造的な場」を提供し続けてまいります。

 引き続き、皆さまのあたたかいご支援とご理解を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。 

コンテンツ多言語知財化センター長
中路 真紀