国際交流センター

留学体験談

【日本】レイクランド大学ジャパン・キャンパスEAP体験レポート①

【留学先】 Lakeland University Japan Campus 
【学 部】 外国語学部 英語コミュニケーション学科 国際教養コミュニケーション専攻
【期 間】 2023年8月28日~9月15日
【氏 名】 A・Kさん(留学時:4年生)


自分の英語能力を向上させるために、そしてまた日本の大学ではなく、アメリカの大学で学ぶことで、日米の大学教育の違いを直接に体験するために、今回のLUJ×BGU EAP Programに応募した。以下はその体験報告である。

今回のEAPプログラムに参加するにあたって、具体的な目標として、1)できるだけ積極的にDiscussion に参加して、自分のSpeakingの能力を高めること、2)できるだけ多くの文()を書いて、自分のWritingの能力を向上させること、の2点を設定した。

授業に実際に参加してみて、何よりも感じたのは、どのクラスでもその課題(予習、HWも含め)の多さである。それは自分がBGUの国内留学生だから、という理由だけではない。レイクランドの学生たちもいささか圧倒されていたようなので、このEAPのプログラムが特にハードなカリキュラムだったのではないだろうか。

具体的に個々の授業を振り返ってみよう。第1に、Listening & Speakingのクラスでは、まず教員の設定したDiscussionのテーマに基づき、そして次にテキストに即したテーマに沿ってDiscussionがなされた。難しかったのはListeningで、テキストに即したテーマのレクチュアを聞き(7~8)、そして1)その内容についてのノートを作成(ルーズリーフ1枚にまとめる)、次に2)その内容についての要約を100~150語で書いて提出する。これが単元ごとに行われた(BGUでは同様のレッスンの場合、3~4分が標準だった)。何度か聞き直して作成したが、内容把握のために要求される集中力の度合いは、BGUの場合とかなり違うと思われる。

2に、Writingのクラスでは、英文の(単文の)正しい作成と(150)それに基づく英文パラグラフの作成が中心であった。Essayの練習もしたかったのだが、それ以前に英文でもパラグラフでも文法のケアレスミスをなくして、正しい句読法に基づいて文()を書くことが要求された。基本的な文法は理解していたつもりだったが、ケアレスミスの多さに自分でも不十分さを痛感させられた。

第3に、Readingのクラスでは、テキストの文章の読解とそれに基づくDiscussionが中心だったが、BGUReading I,IIのクラスの2回分の講義内容を1回で終えるため、予習をきちんとして臨まないとすぐについていけなくなる。さらにHome-workとしてハードな課題が課せられた(毎日ではないが)。それはまず1)Websiteでニュースを検索し、2本の記事をpick upする。2)それぞれについて、まずその記事の概要を紹介し、3)記事の要約を作成し、4)その内容についての自分の考察を書く。さらに5)その記事中の難解語彙のリストを作成する、というものだった。この課題にはレイクランドの学生たちも悲鳴を上げていた。BGUではOral Communicationの授業で、同様の訓練をしていたため、自分では要領は分かっていたが、その課題のためにとられる時間は、かなり膨大であった。

今回のEAPプログラムに参加して気に留めたことが2点ある。第1は、月曜日が自習日に設定されていて、BGU生は特別に設けられたStudy Seminar1時間参加したことである。HWの膨大さを意識していたからか、LUJ生たちも自習日であった。土曜日、日曜日が休みだから、十分に時間はあるはずなのに、土日は休日であって就業日ではないからきちんと休むというアメリカ的思考のためだろうか。自分としては月曜日もStudy Seminarなどでお茶を濁さずに、他の日と同様にきちんと授業をやってほしかった。

2は、Tutorialの時間が設けられていて、学生の様々な質問にアドバイスをしてくれるというものだった。Tutorの方々はLUJの卒業生の人たちで、優秀な学生にはこうしたアルバイトも提供してくれるという点は、いかにもアメリカ的で興味深かった。内容的にも、Study Seminarの方はTime Managementなど、ごく平凡な内容だったが、Tutorialの方は参考になった。例えば、英文を書いて提出する際、読み手(採点者)のことを意識して、一文25語以内に読みやすくまとめるべきだ、というアドバイスなどである。

全体を振り返って、自分としては全ての課題をきちんと期日までに提出することができて安心した。しかしアメリカの大学の授業における予習や課題の多さは確かに噂通りハードなものだった。自分は近年までレイクランド大学の存在を知らなかったが、例え無名の大学であっても、そのカリキュラムをきちんとこなしたら、かなりの実力が身につくのではないかと思われる。

自分は大学院に進学し、将来可能であれば海外留学をしたいと考えている。そして海外の大学で要求される努力の量は日本でのそれ以上であるだろう。今回の体験を生かすためにも、自分に何が必要かを改めて考えてみたい。ただやみくもに海外に出ていく、そこで実践の中で学ぶというよりも、まず国内にいてできる限りのことを準備しておきたいと思う。ListeningでもReadingでも国内で良い教材は多く、まず自分の実力の基礎をしっかりと固めておくべきだと思う。「コスパ」「タイパ」と安易に口にするのではなく、一見遠回りに見えても、基礎を固めておくことが将来での成果につながるのではないだろうか。