62011年-

新たな教育の展開

「新・文明の旅」プログラムを開講

2011(平成23)年4月、新たなグローバル教育科目として全学部共通科目の「新・文明の旅」プログラムを開講しました。「新・文明の旅」プログラムは、従来の留学プログラムをさらに発展させ、訪問地の大学での学生間交流などを通じて、より広い国際的な体験と視野を養い、グローバル社会に対応できる人材を育成することを目指したものです。第1回はトルコ・ブルガリア・ルーマニアの3カ国が訪問国となり、前期・後期を通じた事前学習の成果をもとに、選考を経た20名の派遣学生が翌2012年2月に成田空港を出発しました。その後、2014年の第2回は「人道の旅」をテーマにポーランド・リトアニア・ラトビアの3カ国を、2017年の第3回では「シルクロードをたどる平和への旅と学び」をテーマに、カザフスタンとウズベキスタンの2カ国に学生を派遣しています。2020年(令和2)に東南アジア地域を訪問する予定だった第4回は、新型コロナウイルス感染症流行により国内派遣活動に変更しました。

新・文明の旅
トルコ訪問時、アンカラ大学生とともに世界遺産(カッパドキア)を訪問(2012年)

新たな
グローバル教育プログラム
「Bunkyo GCI」を導入

2013年(平成25)年4月、本学独自の新たなグローバル教育プログラムとして、学部横断型の「Bunkyo GCI(Global Career Institute)」を導入しました。GCIでは、入学から4カ月後に実施する1カ月間に及ぶアジアへの夏季留学プログラム(語学・異文化理解留学)をコアカリキュラムに設定しています。アジア圏のさまざまな国の大学生たちと英語で異文化コミュニケーションを図ることを最大の目的とし、中核科目である「グローバル英語」では、非英語圏の教員による授業のなかで英語のスキルを学びます。また、英国のロンドン芸術大学(UAL)の学生との連携教育プログラムでは、両校の学生による協働を通じて英語を学びました。

Bunkyo GCI
「KAWAGOE Wayfinding プロジェクト」に参加したUALの学生と作品(2017年)

外国語学部の充実と
文京女子短期大学の閉校

外国語学部では、2011(平成23)年に2専攻制を導入し、実践的な英語教育とキャリア形成を充実させました。また、本学のグローバル教育を支える国際連携教育プログラムおよび語学留学プログラムも、提携大学を増やして多様化を推し進めています。なお、女子高等教育に対する社会的ニーズの変化を受け、文京女子短期大学は2014年3月に最後の学生を送り出して、50年の歴史に幕を降ろしました。

本郷キャンパスのリニューアル

2014(平成26)年に文京学園(現文京学院)が創立90周年を迎えるに向けて、本郷キャンパスでは2012年に東本館、2014年に新S館が竣工しました。デザイン性、機能性に配慮するとともに、構造性能と非常時対応力を強化し、東本館は保健医療技術学部臨床検査学科の施設として、新S館は建学の精神「自立と共生」を実践する「共生の教育棟」としてアクティブラーニング、ランゲージサロン、ラーニングコモンなど多様な学習スタイルに対応した講義室等を配置しました。さらに2019(令和元)年には、学園創立95~100周年事業として、本郷キャンパスを3つにゾーニングした施設整備工事を開始しました。

保健医療技術学部に
看護学科を新設

高齢化が急速に進む日本の社会に貢献するため、2014(平成26)年、保健医療技術学部に看護学科を開設ししました。4学科体制となった保健医療技術学部では、全学科の4年次生を対象に、現実の保健医療チームにおける連携・協働の重要性を学ぶ「チーム医療論」を開講しました。また、看護学科の開設に合わせて、新たに本郷キャンパスに完成した新S館の9階すべてを看護実習室としています。

看護実習室
S館9階全フロアが看護実習室

開かれた
リカレント教育の場として

生涯学習センターでは、2015(平成27)年に、文京区後援による新プログラム「60歳からのオープンキャンパス」を開催、また2018年からは「大学開学30周年記念連続講座」を実施しました。すでに長い実績のある地域連携講座「文京アカデミア講座」では、2019(令和元)年にBunkyo GCIの「グローバル英語」を取り入れた英会話講座を開講しました。地域連携講座は、大学・大学院連携講座とともに、「21世紀社会に役立つ大学」として、本学の開かれたリカレント教育の場となっています。

オープンキャンパス
本郷キャンパスで開催した「60歳からのオープンキャンパス」
(2015年7月18日)

経営学部の学科名称変更と
ビジュアル・シンキングの導入

2016(平成28)年、経営学部は学部開設以来の学科名である「経営学科」を「経営コミュニケーション学科」に改め、専攻名も変更して教育プログラムを更新しました。翌2017年には「ビジュアル・シンキング」をカリキュラムに組み込み、複雑な数値データや情報をわかりやすく表現する「インフォグラフィック」など実践的な技法の修得を図り、社会貢献活動などにも活用していきました。2020(令和2)年には文科省情報ひろばの企画展示に採択され、「見て理解できるインフォグラフィックを活用した問題解決型社会貢献活動」の展示を実施しています。

人間学部での新たな取り組み

人間学部コミュニケーション社会学科では、2017(平成29)年度の入学生から、本郷キャンパスでの学習・フィールドワーク型授業を拡充し、課題解決力の育成を重視した教育を開始しました。その中核拠点として、2019(令和元)年に「まちづくり研究センター(まちラボ)」を本郷キャンパスとふじみ野キャンパスに開設しました。また、人間福祉学科では2018年度から2コース制を導入し、心理学科では2020年に公認心理師コースを新設して3コース制とするなど、社会の新たなニーズに応えた福祉人材養成の教育を強化しています。

まちラボ
本郷キャンパスに開設された「まちラボ」の外観

新型コロナウイルス感染症への
対応

2020(令和2)年2月、新型コロナウイルス感染症の拡大に対応して、本学では速やかに新型コロナウイルス感染症対策会議を発足させました。3月の学位授与式(卒業式)は分散して行うなど異例の形式で実施しました。4月は前期開講日を延期し、5月7日から全学部で一斉にオンデマンド(一部オンライン)授業を開始しましたが、7月には国家試験に関する実験・実習・演習科目については一部授業を対面で再開、翌2021年4月からは、原則として全授業を対面で実施しています。この間、本学学生および滞在中の交換留学生の学習面、精神面、生活面等へのフォローとサポートに細心の注意を払って対応し、コロナ禍の状況にあっても学生サービスの向上に努めました。

入学式
2年生のために実施された「1年遅れの入学式」
(ふじみ野キャンパス、2021年3月)

看護学研究科の開設

2021(令和3)年、教育的な看護を実践できる人材の育成を目的として、本学5番目の研究科である看護学研究科看護学専攻(修士課程)を開設しました。社会人学生のために、平日の夜間や土曜日の開講のほか、オンデマンド型の講義配信、オンラインによる履修などメディアを活用した授業等を積極的に取り入れています。