第二弾「新・文明の旅」現地リポート

第二弾「新・文明の旅」現地リポート

敦賀学生報告②

 昨日に引き続き,本日も敦賀にて研修を行いました。敦賀は天候が変わりやすく,「弁当は忘れても傘だけは忘れるなと」という格言があるそうです。本日は朝から雨風で,晴れたかと思うと雪そして雹と正に傘を忘れられない天候でした。そのような天候の中でしたが,むしろその変化を楽しむ勢いで敦賀市内を8名全員で回ってきました。そんな活動内容を今回は松田,若山,石川の3名が紹介していきます。

 本日のスケジュールは,ユダヤ人難民の足跡をたどるツアー,敦賀市内視察,そして日本海地誌調査研究会顧問の井上さんと人道の港調査研究所長の古江さんへの学生によるインタビューでした。
 午前中は、雨風の中,昨日訪れた敦賀ムゼウムのスタッフの方の案内のもと、ユダヤ人難民がたどったと考えられる足跡をたどる散策ツアーに出かけました。約2時間かけて市内散策を行いながら、様々なエピソードをうかがいました。シベリア鉄道を利用して長い旅路を経てやってきた「ユダヤ人難民」に,青果取引をしていた敦賀市民がリンゴを差し出したということ、多くのユダヤ人難民に対する銭湯開放など様々な出来事があったようです。言葉も通じない,その当時の日本人からすると得体の知れない異国の方に対して,自分から話しかけリンゴを渡したという行動には驚きました。日本人は優しいと言われていますが,同時に恥ずかしがり屋だというイメージがありました。仮に自分が,同じ場面に置かれたことを想像してもそのような振る舞いやもてなしはできただろうか、難民に関わることが自分の不利益になると考え、なにも行動に移せなかったのではないか、そんなことを考えました。
 ユダヤ難民の足跡をたどる散策ツアーを終えたのち、「日本海さかな街」で昼食をとりました。ここは日本海最大の海鮮市場でおよそ70のお店が軒を連ねています。個々ではマグロやエビなど海の幸をたくさん使った海鮮丼は非常に有名です。私たちは名物の「海鮮丼」と「極み丼」を食べました。料理が運ばれてきたときはそのボリュームと,ネタの厚さに驚きのあまり思わず声がでました。マグロ,いくら,うに,サーモン,イカ,エビなどの多くのネタ,まさに日本海を食べつくしたという感じでした。
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 昼食後には,4名ずつ2班に分かれて敦賀の魅力を探るための市内散策をしました。グループMは,古くから日本の白砂青松100選に指定されている松原を訪れました。「気比の松原」は、「虹の松原」「三保の松原」とともに日本三大松原と呼ばれています。松原の中には散策路がめぐらされていて,ジョギングコースを道なりに進んでいくと壮大な風景が目の前に広がってきました。日本海の美しさに今まで味わったことに感動を覚えました。残念ながら今日は真冬のような寒さで,時々雪が舞うような最悪のコンディションでした。晴天時にはさらにすばらしい日本海の絶景を見ることができるようです。夏には花火大会や潮干狩りや海水浴などができます。今度来るときは最高の天気でもう少し気温も温かい時期にきたいです。

 グループS もまた「気比の松原」を訪れました。かなり風が強く波が荒立っていましたが,なんと2名が海に入り,靴と靴をびしょびしょにして帰ってきました。視察途中に観光案内所の方から「気比の松原」にはおよそ1万7千本もの松があることや,戦時に空襲を免れたためまだ松が残っていることなど教えていだきました。さらに帰りには、お土産として1万7千本ある松の中のうちの1本からしか取れないという350ml缶ほどの巨大な松ぼっくりを4つもいただきました。
 松原を後にし気の向くままに市内散策を行いましたが,道中すれ違う地元の方から「観光かい?」と話しかけられました。気さくで親切な敦賀の方々だからこそかもしれませんが,敦賀の地で若い学生が4人も歩いているという光景が敦賀の方々にとって新鮮に写ったのかもしれません。
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 さらに商店街を歩いているとFMラジオステーションがありました。私たちを見るなり「どこからきたの?学生さん?!」とウィンドウ越しに叫ばれ,プチインタビューを受けました。私たちの声がFM電波に乗って流れたかは分かりませんが,ひょっとするとラジオを聞いている敦賀の方々に,勉強のために東京から敦賀に訪れている大学生がいるということが伝わったかもしれません。2時間ほどの市内散策でしたが,気さくな敦賀の方々の暖かさに触れながら,敦賀の良さを満喫することができました。
 余談ですが,タクシー移動途中に見かけた敦賀高校の略称「敦高」は“つるこう”ではなく“どんこう”と言うらしいです。運転手さん曰く、これは,「敦」を中国では「どん」と読むからとか。

 敦賀市内散策の後は、「日本海地誌調査研究会 井上脩さん」、「人道の港調査研究所 古江孝治さん」に,敦賀とユダヤ難民やポーランド孤児と関係について、インタビュー形式で質問させていただきました。授業や映画などを通して,「杉原千畝さん」のことを多少なりとも知っているつもりでしたが、実際にお話を聞くとまだまだ知らないことが多いと改めて感じました。日本人は自国の歴史や文化などを知らないとよく言われますが,全くその通りだと思いました。このプログラムを受講していなければ,杉原千畝さんの存在自体知らなかったと思います。井上さんたちのよう長年研究している人たちや敦賀などの地元の人たちはしっているかもしれないが,全く知らない人も全国には大勢いると思います。今回の経験を生かして、こうした事実を我々学生の力で日本全国,そして世界に発信していけたらいいです。

●今回のインタビューを終えての感想

感想1:今回はインタビュー中にいくつか質問をしようと考えていたのですが,お二人のお話がとても内容の濃いもので僕も傾聴するのに夢中になりすぎてしまいました。そのため,せっかくの機会だったのに質問するチャンスを逃していまい非常に残念で悔しいです。 次にこういう機会があれば積極的に自分から質問していけるようになりたいです。
 感想2:今回のインタビューでは,前日にメンバー皆で事前に質問を考えました。インタビュー直前の土壇場で私は質問のコンダクターを任されることとなりました。打ち合わせもなく先生からコンダクター程度で良いと役割をふられましたが,本当に信じられないと思いました。事前に用意した質問を回答者のお二方の話す内容と関連付けながらどのような順序で質問していけば良いのか,また他のメンバー達にどの質問を振るのが良いのか,どの質問をしてほしいという意図をどのようにメンバーに伝えていけば良いのかなど,質問者と回答者そして話の内容を把握しながら質問内容を考えていかなければならず、かなり苦戦しました。他のメンバーに上手く質問を振ることができないこともありましたが,気になったことを質問し答えてもらうという形式を、全く違う視点から見ることができたのは自分にとって良い経験となりました。

 感想3:今回の敦賀プランでは杉原千畝さんが行ってきたビザの発行の経緯、その20年前に行われたポーランド孤児の受け入れに関する経緯を聞かせていただき、またムゼウムに展示されていないビザの写真なども見せていただき,非常に勉強になりました。私たちの質問一つ一つに対して丁寧に答えてくださった先生方の話に聞き入ってしまい,あっという間に時間が経ってしまったように感じました。このような機会はなかなかありませんので、この経験を今後のプレゼンなどに生かせるよう,帰ってからしっかり復習しようと感じました。今日は,お話を聞けて本当に良かったです。
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以上です。来週には、いよいよ海外組が渡航します。どんな出来事が起こるのか、海外組のブログを楽しみにしています。

敦賀ムゼウムのfacebookに本学学生訪問の投稿がありました。
記事:
https://www.facebook.com/tsurugamuseum/posts/832892943442910